芸術の国オーストリアには、荘厳で美しい修道院附属図書館がいくつかあります。
美しい建物をみたいなら、首都のウィーンだけでも充分ですが…
首都を離れ、もう少し遠くを探検したいなら修道院図書館は訪れる価値があります。
メルクにある修道院とその附属図書館
ドナウ川沿いのヴァッハウ渓谷に隣接したニーダーエスターライヒ州(Niederösterreich)の都市であるメルクは、豊かな歴史を持つ美しい街です。
ヴァッハウ渓谷はワインのために訪れる価値があるし、冬はクリスマスマーケットの隠れスポットです。
メルクの古代の町は、歴史愛好家にとって特に興味深いものです。
メルク修道院図書館(Stift Melk)
ドナウ川の上の岩だらけの丘の上に誇らしげに建つ壮大なバロック様式の建造物は、11世紀のメルク修道院です。
メルクといえば、メルク修道院の街として知られるこの町のシンボルです。
1089年、ベネディクト会の修道士に贈られたレオポルド2世によって設立され、ユネスコの世界文化遺産に指定されています。
現在の建物は、1702年から1736年の間に建設され、手の込んだフレスコ画や大理石のホールなど、内観・外観ともに、素晴らしい建築物がいくつかあります。
メルク修道院の附属図書館の一番のみどころは、中世の写本。
12世紀に、修道士の学校であるメルク修道士校が設立されると、図書館は幅広い写本収集で知られるようになりました。
現在も、この図書館で、美しく照らされた中世の写本をみることができます。
ガイド付きツアーがあります。
アドモントにある修道院とその附属図書館
アドモントはオーストリアのスティリア州(Styria)の町です。
1074年に設立された修道院であるアドモント修道院が歴史的に最も有名です。
街はエンスの谷のエンスタルアルプスの真ん中に位置し、アドモントのあるゲソーゼ国立公園は、非常に美しいエリアです。
アドモント修道院図書館(Austria’s Admont Abbey)
1774年に建立した世界最大の修道院図書館のひとつであるアドモント修道院の図書館は、バロック様式の傑作です。
オーストリア国内で最も貴重な歴史的ランドマークのひとつです。
蔵書数は135,000冊にのぼり、手書きの文書および初期の印刷物が所蔵されています。
海綿の天井にはフレスコ画が飾られており、人間の知識が神の啓示に至るまで進行し、啓蒙主義の理想とそれらがどのように構造的に表現されたかを具現化しています。
広大な窓から太陽が部屋を照らし、そこにいると、知恵の光に恵まれているように感じるでしょう。
リンツにある修道院とその附属図書館
リンツは、オーストリア第3の規模を誇る都市です。
ウィーンとザルツブルク、ドイツのミュンヘン、チェコ・プラハに挟まれた場所に位置しており、ウィーンに負けず劣らずの芸術の街といえます。
リンツにはふたつの修道院図書館があります。
ザンクト・フロリアン修道院図書館(Augustiner Chorherrenstift St. Florian)
ザンクト・フロリアン修道院は、オーストリアのザンクトフロリアンの町にあるアウグスティヌス修道院です。
9世紀初頭に設立され、その後11世紀にアウグスティヌスによって再建されたザンクトフロリアンは、オーストリア北部の最大の修道院であり、オーストリアのバロック建築の最も印象的な例の1つとして、メルク修道院とクロスターノイブルク修道院とともに語り継がれています。
ちなみに、「ザンクト」という名前は、ドイツ語で日本語の「聖」にあたり、英語の「サン」(サンフランシスコなど)です。
街の名前でよく聞かれます。
クレムスミュンスター修道院図書館(Stift Kremsmünster)
クレムスミュンスター修道院は、777年創立のべネディクト派大修道院です。
ほかの修道院と同様、街のシンボルであるのはもちろんのこと、この修道院は天文台を併設し、オーストリアの天文学に多大な貢献をしてきた歴史を併せっています。
白を基調にした4つの部屋を1列にひとつに繋いだような建築が有名です。
所蔵数は23万冊あります。
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