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『マチルダ』 図書館で世界を知り、知識を力にする

 

金儲けのことしか頭にないインチキ中古車販売業者のワームウッド家に女の子が誕生する。

両親は「マチルダ」と名付けたその女の子に無関心。

 

 

 

マチルダは何でも自分でやることを覚え、そのうち先天的だと思われる天才性を発揮するが、両親はもちろん気がつかない。

 

 

4歳になるまでに家中にある雑誌を読破してしまったマチルダは、勇気を出して父親に本を買ってほしいとお願いするが、テレビがあるのになぜ本なんか読みたいんだと取りあってくれない。

 

自分で道を切り開こうと決意したマチルダは、翌朝、いつものように父が仕事、母がビンゴ、兄が学校に行って一人きりになると、イエローページ(電話帳)から図書館を探し、ひとりで10ブロック先の市立図書館に歩いて向かう。

 

 

その日から、マチルダの図書館通いがはじまる。

 

 

図書館との出会いは、その後のマチルダの人生に影響を与える重要な場面である。

 

 

 

司書のミセス・フェルプスはいつもひとりで図書館やってくる小さな少女に思慮深く注意を向けるが、余計な詮索はせず、やがて児童コーナーの本を読破した彼女に貴重な情報(図書館の貸出カードの仕組み)を教えると、マチルダの世界が開く。

 

 

図書館という逃げ場となる空間が出来たことに加え、数々の文学との出会いがマチルダを強くする。

 

本は彼女に希望のメッセージをくれる。”ひとりじゃないよ”(劇中のナレーションより)

 

 

図書館そのものが出てくる場面はわずか2分程度だが、マチルダが小説との出会いで世界を知り勇気を身につけ、図書館で知識や教養、社会について学んだことが分かる描写が度々描かれる。

 

両親に年齢を認識してもらえず学校に通えないマチルダは、部屋の中でたくさんの本に囲まれ小説を読みながら涙を流す。

ナレーションの「時々、友達が欲しくなった。優しくて勇気のある友達が。しゃべるドラゴンや長い髪のラプンツェルは本の中でしか出会えない」というセリフがある。

ついに学校に通えるようになったマチルダの登校初日、複雑な計算を瞬時に答えて担任のミス・ハニーを驚かせる。

「どこかで計算の勉強をしたの?」と聞くミス・ハニーに、マチルダは「図書館で数学の本を読んだ。」と答える。

ミス・ハニーは嬉しそうに「本を読むのが好き?」とさらに質問し、マチルダも嬉しそうに「特にチャールズ・ディケンズが好き」と答える。

 

物語の終盤、マチルダの父のインチキ中古車販売についにFBIの捜査の手が差し迫る。しかし、令状もなく勝手に家宅捜査をするFBIにマチルダは超能力を使っていたずらを仕掛け、「図書館で法律書を読んだわ。令状がないと解雇か刑務所行きよ。」という。

 

最後、マチルダがミス・ハニーの家にいるところへFBIに追われグアムに逃亡しようとしている両親が迎えにくる。マチルダはミス・ハニーに「養子にして」とお願いし、父が「手続きの時間はない」と言うと「届出の用紙ならあるわ。ずっと前に図書館でコピーしたの」と答える。

 

 

それでもこの映画のメインは「マチルダが超能力を使っていじわるな大人をやっつけること」である。

 

ある日、家族がそろってテレビを見ている中マチルダがメルヴィルの「白鯨」を読んでいると、父が家族の楽しみに参加しろと怒り、本を取り上げ、ページを破りはじめる。マチルダは「わたしのじゃないのよ。図書館の本よ!」と言うが、父は「本なんか読んでいないでうちの子らしくしろ」と言い、マチルダの頭を抑えて無理やりテレビの方に向ける。

すると、マチルダのストレスが頂点に達し、テレビが爆発する。

マチルダはやがてこの超能力を操るようになり、独裁的な暴力校長をやり込め、大好きなミス・ハニーや友達を助ける。

 

しかし、この「超能力」は単なる比喩でありおまけだろう。

マチルダは図書館で世界を知り、ミス・ハニーという信頼できる大人に出会ったことで、知識を力にしたのだ。

 

>>映画『マチルダ』の基本情報・みどころ・あらすじなどはこちら

 

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