ロンドンには、バラエティに富んだ専門図書館がたくさんあります。
それぞれの専門性に富んだ図書館なので、その分野の研究者や専門家に限らず、ロンドンの社会やロンドン史に興味がある方にもおすすめです。
歴史好きにおすすめなロンドンの専門図書館
ロンドン図書館(The London Library)
ロンドン図書館と名がついていることから、ロンドン市の公立図書館のようですが、多くの民間人や企業などのサポートで運営されている独立系の図書館です。
大英図書館よりも古い歴史を持ちます。
1841年、大英博物館図書館のポリシーに不満を持っていたトーマス・カーライルの主導で、イギリスの一般市民や王室からの寄付によって誕生し、公営サービスとして提供される図書館のモデルになったと言われています。
100万冊以上の蔵書と利用のために会員資格が必要なコレクションを備え、首都の文学機関で高い地位を誇り、偉大な英国文化のなかで知的支柱を担っています。
一年を通して、定期的に無料の夜ツアーがあります。
ロンドンの中心地にほど近いセント・ジェームズ・スクエアに位置します。
ウィーナー・ライブラリー(Wiener Library)
ロンドン大学の敷地内にあるウィーナー・ライブラリーは、有名なラッセル・スクウェアの近くにあります。
ホロコーストの研究に特化しており、ナチス時代の権威あるアーカイブを所有しています。
1933年、アムステルダムのアルフレッド・ワイナー博士が、ナチズムに対抗するために知的自由を使用することを目的に設立した図書館です。
2011年ヘリテージロッタリー基金の資金でラッセルスクエアの敷地内に移転しました。
図書館はボランティアと慈善寄付に大きく依存しており、定期的に展示会やイベントを開催して創立者の仕事を継承し、ホロコーストだけでなく世界中の人道的危機に対する認識を高めています。
ロンドンの社会調査におすすめの専門図書館
ギルドホール図書館(Guildhall Library)
ロンドンの特別行政区、シティ・オブ・ロンドンの旧市庁舎ギルドホールにあるロンドンに関連する主題に特化した公共の専門図書館です。
ロンドン公社(ロンドン市の政府)によって管理されています。
サミュエル・ピープス、ジョン・ウィルクス、トーマス・モアなどに特化したコレクションを含む、15世紀から21世紀にかけての20万の蔵書があります。
ロンドンの歴史と社会調査をするのに最適な場所です。
ビショップスゲート研究所図書館(Bishopsgate Institute Library)
シティ・オブ・ロンドンから少し東のスピタル・フィールズ、リバプールストリート駅に近いロンドンの文化施設ビショップスゲートの図書館です。
ロンドンの社会史を専門としています。
この図書館の特徴は、首都の急進、社会、労働、フェミニスト、同性愛者の歴史への関心に応えていることです。
ワークスペースの上にある素晴らしいガラスのドームは一見の価値があります。
施設は無料のwi-fiもあり、完全に一般公開されています。
ロンドンの各種専門図書館
セント・ブライド・ライブラリ(St. Bride Library)
ロンドンのブライドレーンのセントブライド基金研究所にある、おもに、印刷、ブックアート、タイポグラフィ、グラフィックデザインを専門とした図書館です。
ロンドンの印刷業界の著名な社会、文化、レクリエーションセンターであったセントブライド基金が、デジタル時代の脅威にさらされている業界の伝統と工芸品を保存するという重要な目的を果たしています。
BFI ルーベンライブラリ(The BFI Reuben Library)
イギリスに関連する動画を網羅して提供することを使命に、映画に関するテキスト、映画、デジタルコレクションを公開する映画の専門図書館です。
しかし、その範囲はイギリスのみならず国際的で、映画好きの人は必見の図書館です。
V&A国立美術館図書館(National Art Library at the V&A)
V&A(ヴィクトリア&アルバート)美術館は、常にアートとデザインにおける思考の最前線に立ってた、イギリスの国立美術館です。
その附属にあたるV&A国立美術館図書館は、この美術館が持つ野心をサポートし、描画、絵画、彫刻、ファッション、繊維、木工などのトピックに関する広範な研究を含むコレクションへのアクセスを提供しています。
書籍、雑誌、展示会カタログ、オークションハウス販売カタログ、漫画、e-リソースなど、英国で最も包括的な装飾美術の文献コレクションを保有しています。
閲覧室は美しい内観だけではなく、V&Aのジョン・マジェスキー公園を見下ろすことができ、さらにワークスペースはロンドンで最も壮観な場所の1つです。
V&Aカフェを目的に訪れる観光客がとても多いですが、図書館も見逃せません。
ウェルカム・コレクション・ライブラリー(Welcome Collection Library)
ウェルカム・コレクション・ライブラリーは、ヘンリー・ウェルカムによって形成されたコレクションに基づく医学の専門図書館です。
大英図書館から北西にロンドン大学の通りに面して立っており、外観は小さな近代博物館のような佇まいです。
所有するコレクションは、ヘンリー・ウェルカムの個人的な財産をはじめ、20世紀で最も野心的なコレクションのひとつを作成することに成功したといわれています。
現在では、医学史研究のための世界有数の機関であり、現代医学と生物医学に影響力のある”声”でもあります。
定期的に医学研究に関連するイベントや展示会を行なっていますが、それらの多くは学際的な性質であるものの、視覚的に楽しめる要素もあり、あらゆる知的背景と傾向を持つ人々にとってアクセスしやすく、豊かな探検ができます。
誰でも入館できます。
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