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岡山県立図書館 歴史と文化の共存エリアに建つ県民のホーム

 

日本三名園のひとつ、岡山後楽園に岡山城。

 

これら岡山県を代表する名所を中心に、各種の文化施設が集まっている地域を岡山カルチャーゾーンという。

 

豊かな緑に囲まれた旭川の美しい水辺に、岡山の歴史と文化、自然や芸術が共存している。

 

歴史と文化の共存エリアに建つ、岡山県民のホーム
遠くに岡山城が見えるの

 

岡山県立図書館も、そのカルチャーゾーンに位置する。

 

2004年に開館し、その翌年の2005年から11年連続で来館者数、個人貸出冊数ともに全国1位を誇る図書館である。

歴史と文化の共存エリアに建つ、岡山県民のホーム

↑右に見えるのが県庁、左が図書館↑

 

分野別司書の配置や、タイムリーな企画展も好評だが、それ以前に、この図書館の誕生には多くの県民と図書館関係者が何年も必死で声を上げ続け、当初の設計案を覆えした歴史がある。

 

それらを経て誕生した、現在の岡山県立図書館は、岡山県民にとっては”ホーム”なのかもしれない。

 

 

 

大正期を代表する優れた洋風建築として知られた「旧日本銀行岡山支店」。

旧日本銀行岡山支店

この施設を県が買収することに決まったのが、1989年9月9日のこと。

 

当時、再利用策として候補に上がったのが県立図書館、古文書館だったのだ。

 

ほかにも、迎賓館、ビアホール、お金博物館という案も出たが、その約2ヶ月後には、本館に11階建てのビルを付設する建築で図書館・古文書館が入館する方針で決定された。

 

その構想は、

「パリの凱旋門のように下層階が門構えのビルを建て、本館を包み込む形にするもの。」

と、一見、魅力的であり夢のような構想だった。

 

また、両施設とも

「県民の文化遺産を守り伝え、情報資源として社会の役に立てる」

という共通目的があると考えられていた。

 

一方、日銀の建物を保存するという制限付きで、図書館がいずれ移転せざるを得ないという将来も明らかであり、敷地の狭さや駐車場のスペース確保の問題など異論もあり、3年ほど計画は頓挫してしまう。

 

その間も、県民からの反対意見は絶えなかったそう。

また、図書館関係者からも、資料の収納スペースなど現実的な問題の指摘があり、県立図書館、文書館は一転、99年に閉校した丸之内中学校の校舎跡地に建設されることになる。

 

歴史と文化の共存エリアに建つ、岡山県民のホーム

歴史と文化の共存エリアに建つ、岡山県民のホーム

岡山カルチャーゾーンは何度も訪れているが、秋から冬にかけての雰囲気が最も風情があって素敵

 

そして、当初図書館になる予定とされていた「旧日本銀行岡山支店」は、古典的なギリシャ建築様式を生かし、音楽や演劇を公演できる多目的ホール(愛称「ルネスホール」)に、金庫棟だった重厚な建物はギャラリーとして、音楽や芸術を楽しむ文化芸術施設として生まれ変わった。

 

旧日本銀行岡山支店 ルネスホール

ギリシャ古典建築三様式のひとつ「コリント式」による4本の柱頭部には彫刻が施され、ギリシャ建築の美しさが表れている

 

もし、この施設が図書館として生まれ変わっていたなら、開館当初こそ話題を呼び、多くの利用者や観光客が集まったかもしれない。

 

それでも、図書館の価値を表層的な面だけで図ったらそのしわ寄せは必ず後世が背負うことになる。

 

県民が、自分たちで図書館の意義や目的、役割を考え、地方紙に意見や思いを上げたことにより、図書館の価値を改めて考えるきっかけになったのだ。

 

それらの声は、今もこの場所、岡山県立図書館で目にすることができる。

ひとり用デスク

 

そしてそれは、岡山県民が自分たちで築いた歴史の一部として図書館とともにこれからも残り続ける。

 

それは、来館者数や貸出冊数が全国1位であり続けることよりも、もっと尊いことだろう。

館内から望む岡山城

館内から望む岡山城

 

岡山県立図書館
開館時間:9〜19時(土・日・祝は10〜18時)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)
Wi-Fi:あり(岡山公衆無線LANスポット<モバイルスポット>)
パソコン貸出、インターネット利用のできる設置パソコンの有無:あり
カフェ、レストランなど飲食スペース:あり
ホームページ → http://www.libnet.pref.okayama.jp/

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