ドイツの図書館の特徴は、長い歴史を持つ本当に美しい図書館から現代建築の傑作まで幅広い建築様式と伝統や歴史にまたがっていることです。
ドイツほど多様性に満ちた建築の図書館を所有する国はないのではないかと思いますが、同時に、建築だけが訪問の目的として価値があるわけではなく、書誌学的にも魅力的です。
ウィブリンゲン修道院図書館ウルム(Wiblingen Monastery Library, Ulm)
11世紀にシュヴァーベンのウルムで完成したウィブリンゲン修道院図書館,ウルムは、バロック建築の傑作です。
精巧なロココ様式で仕上げられた修道院の北翼に収容されている図書館は、かつてベネディクト会の僧侶の本拠地でした。
現在、修道院はウルム大学医学部の本拠地となっています。
シュトゥットガルト市立図書館(Stuttgart City Library)
シュトゥットガルト市立図書館は、バーデンヴュルテンベルク州にあるモダンな建物です。
2011年に完成した白を基調としたデザインは信じられないほど美しく、一方で、マウリッツ・エッシャーの絵画または日本映画『クワイエットルームへようこそ』のような、少し寂しくて奇妙な雰囲気を感じます。
ブランデンブルク工科大学コトブス図書館(BTU)
ブランデンブルク工科大学は、1989年にドイツが統一された後、最高峰のテクノロジーの研究を促進する目的として1991年にブランデンブルクに設立されました。
大学附属のコトブス図書館は、2004年に地上7階地下2階の建物で完成しました。
外観は〈多くの言葉を収容する建物〉を意味するように、さまざまなアルファベットや無数の文字で覆われています。
内観は、まるで万華鏡のように色彩豊かで、書架や閲覧席、階段、照明など細部にこだわりが見られます。
ドイツ国立図書館ライプツィヒ館(German National Library, Leipzig)
ドイツ国立図書館ライプツィヒ館は、ドイツ語で出版されたすべての本をすべて納本することが義務付けられた法定納本図書館です。
2007年に開始された4期目の増築工事が2011年5月9日に完成し、新館が開館しました。
500万冊を超す図書や100万件以上の音声資料など、今後20年分の資料の収容が可能となったそうです。
ドイツの国立図書館は、フランクフルトに別館があります。
ハイデルベルク大学図書館(University Library Heidelberg)
ハイデルベルク大学図書館は、1386年(17世紀)から歴史のあるドイツ最古の大学図書館です。
現在の建物は1905年に完成したユーゲント・シュティール様式です。
外観は赤レンガ色の重厚な趣ですが、内観は白の大理石を基調としており、内外で異なるイメージですが、どちらも見ごたえあります。
図書館には320万冊の資料が保管されており、一般に公開されています。
ハンブルク大学図書館(Hamburg University Library)
ハンブルク大学図書館は、ドイツ研究財団の一環として、世界中から珍しい原稿を収集しています。
外観は、ヨーロッパの古い家のような非常に親しみやすい印象ですが、内観は、よくある図書館の雰囲気と、特徴的なデザインの部屋に分かれる印象です。
もっとも特徴的なのが中央の閲覧室(トップ画像)で、ここには、ハンブルク大学のためのアーカイブとハンブルク住民のための学術情報資源を所有しています。
ヘルツォークアウグスト公立図書館(Herzog August Library)
ニーダーザクセン州のヴォルフェンビュッテルにあるヘルツォークアウグスト図書館は、ビブリオテカオーガスタ(Bibliotheca Augusta)とも呼ばれ、中世および近世ヨーロッパからのコレクションの国際的重要性を誇る図書館です。
ニーダーザクセン州科学文化省が運営しています。
ザクセンのヴォルフェンビュッテルにあるヘルツォークアウグスト図書館は、ビブリオテカオーガスタとしても知られ、古代のルーツを持つ図書館です。
内観の書架も壮観です。
ジェイコブ&ウィルヘルム・グリム・ツェントルム フンボルト大学図書館(Jacob und Wilhelm Grimm Zentrum, Humboldt Universität zu Berlin)
2009年にフンボルト大学のメインキャンパスから徒歩5分の場所に開館したグリム・ツェントルムは、フンベルト大学ベルリンの主要図書館です。
建築家マックス・ダドラーによって実現されたこの図書館は、20,296平方メートルの巨大なスペースに250万冊の資料を所蔵しています。
この巨大な音楽ホールのようなメイン閲覧室は、図書館としては他に類を見ない存在感のある図書館の人気スポットです。
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