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台北図書館新北投分館 台北の温泉街にある癒しのエコ図書館

 

日本同様、実は温泉大国だという台湾の中で、最も古い歴史を誇るのが「北投温泉」です。

 

台北のMRT(地下鉄)で観光名所の「淡水」へ向かう淡水信義線に乗り、途中の「北投」で新北投支線に乗り換えると、たどり着く場所は北投温泉地と呼ばれる「新北投」駅ただひとつです。

 

1896年、日本人がこの地に台湾初の温泉宿を開いて120年になりますが、現在も地域住民に愛されています。

 

温泉大国台湾の中で人気No.1の温泉地 新北投

 

温泉大国と言われ、100カ所以上もの温泉地がある台湾のなかで特に人気なのが、「新北投温泉」。

源泉のひとつ「地熱谷」は観光スポットとして人気で、新北投温泉に来ると、ここで写真を撮る観光客をよくみます。

 

無料の公衆の温泉や足湯ができる温泉もあれば、宿泊施設もあり、日本の高級旅館 加賀屋の系列「日勝生加賀屋」もあります。

 

ほかにも温泉博物館などがあり、街全体が温泉街として成り立っている印象です。

 

 

そのような場所に、温泉とともに訪れたい図書館があります。

 

台北図書館新北投分館の正面入口(筆者撮影)

 

 

台北図書館新北投分館は、温泉街に違和感なくたたずむ豊かな自然に囲まれた図書館で、別名「エコ図書館」の愛称で地元の方々いに親しまれています。

 

台北図書館新北投分館までの行き方

 

新北投駅までは、台北中心の「台北車站」駅からMRT淡水信義線に乗り、北投で一度乗り換え、 40分程度で着きます。

 

そこで降り立つと、目の前には日本統治時代の面影が残る古い風情の温泉街が広がります。

 

新北投駅を出たら目の前に広がる風景(筆者撮影)

 

 

ふわりと硫黄が香り、見上げると、温泉から湧き出た湯気も見えます。

 

右に見える高い建物の方向に北投公園があり、この公園の中に「エコ図書館」の愛称で呼ばれる台北図書館新北投分館があります。

駅から図書館までは、北投公園を突き抜けるのが一番近いです。

 

公園の中をまっすぐ突き抜けると図書館の裏側にたどり着く(筆者撮影)

 

この公園も亜熱帯の植物が多く立ち並び緑に溢れ、散策道や木製のベンチが置かれ、自然を感じながら散策を楽しめます。

 

午前中は、地元の方がこの公園でカンフーのような体操をしている姿がみられます。

はじめて図書館を訪れたときは、カンフーをやっているご婦人たちに図書館の場所を教えていただきました^^

 

 

右に見えるウッドデッキが台北図書館新北投分館のテラス(筆者撮影)

 

 

図書館の建物は、木造を主体に鋼材が組み合わされ、大きくて背の高いツリーハウスのような外観になっています。

 

樹木が生い茂る豊かな自然に恵まれた北投公園とうまく共存(筆者撮影)

 

 

自然の風景を巧みに生かしたエコへの徹底ぶりは素晴らしいものがあり「エコ建築九大指標候補証書」を獲得したというのも納得です。

 

台北図書館 新北投分館(エコ図書館)の中

 

台北図書館新北投分館が、「エコ図書館」と呼ばれる理由は、ほかにもたくさんあります。

 

たとえば、建物全体に床まで届く大きな窓が使われており、自然光をふんだんに取り入れています。

 

照明は最小限(筆者撮影)

 

 

塗料にもエコ材料を使用し、環境汚染や有毒物質の排出を極力押さえているといいます。

 

(筆者撮影)

 

 

ベランダの手すりにも特殊な細工があり、垂直の木製格子が室内に入る熱放射を抑え、節電効果を生んでいるそうです。

 

テラスは図書館の人気スポットのひとつ(筆者撮影)

 

目に見えないところにも徹底した環境への配慮が施されています。

 

屋上の芝生に特殊な排水設計を施し、天然の雨水などを貯水し、植物の水やりやトイレの水に使っているそうです。

 

さらに、屋根にも太陽光発電パネルを設置し、昼間の日光で16万ワットの電力を貯蔵しています。

 

台北図書館新北投分館レポート

 

 

到着したのは平日の午前で利用者もほとんどおらず、司書は2人のみで、2人ともカウンターにいて、配架などで動き回っている職員もおらず、とても静かな空間でした。

 

写真撮影はカウンターでの申請が必要です。

 

 

パスポートか身分証明書(写真付き)の提示し、首からぶら下げる許可証を渡されます。

 

児童コーナーがかわいかったですが、やはり平日だからか子どもは一人もいませんでした。

 

白を基調にした児童コーナー(筆者撮影)

児童コーナーは半地下のようになっています。(筆者撮影)

 

講演などのイベントがあるときは、ここを使うそうです。

 

1階から地下への階段を効率よくイベントスペースにしている(筆者撮影)

 

「図書カードを見せてください」とお願いしたら3種類を出してくれました。

 

台北市の図書館すべてで利用できる共通カード。好きなデザインを選べるそうです(筆者撮影)

 

図書館独特の静寂さが、木造建築やその環境を作り出す自然によってより引き立てられ「エコ図書館」の愛称に納得も、「ヒーリング図書館」のようだと思いました。

 

正午近くになるとに利用者も増えてきました(筆者撮影)

 

台北図書館新北投分館を中心に旅するおすすめのルート

 

「台北図書館 新北投分館」を中心に、ほかにも台北旅行を楽しみたいと思ったらおすすめのルートがあります。

(ホテルなどの滞在地を、台北中心の「台北車站」駅にしている場合のルート)

 

新北投は、人気の観光地が集まる台北の中心地から少し離れた距離にありますが、MRT淡水信義線を西に向かって最終地点まで行くと、「淡水」という観光名所があります。

ここは、台北市ではなく、新北市になります。

淡水は、イタリアのヴェネツィアに似た街であることから、台湾のベニス(ヴェネツィアの英語読み)と呼ばれている街です。

実際に、ヨーロッパの統治下にあったことからも、西洋式の建物が多くみられます。

 

また、「新北投」駅から「台北車站」駅にもどる途中にある「士林」は、台北最大の夜市が有名です。

 

 

効率よく回ろうと思ったら、

 

① 朝ーで淡水に行き、帰りの途中で「新北投」駅で降り、「台北図書館 新北投分館」でゆっくり休むか温泉を楽しみ、夜「士林」に行くというルートが最も無駄がなく楽しめるかなと思います。

あるいは、「淡水」は水辺に映える夕日が最も人気なので、② 朝ーで「新北投」に行き、午後から夕方にかけて「淡水」で過ごし、夜「士林」に行くというルートもいいと思います。

 

しかし、そういったことからも、夕方の「淡水」は観光地と化すので、夕日にこだわらないならば、やはり朝一がおすすめです。

人が少なく静かで、たまに市場も開催されており、十分楽しめます。

 

 

公園で森林浴や散策を楽しみ、書物と自然の香りに包まれながら読書をし、温泉でゆっくり温まるような、ほかでは経験出来ないような癒しの旅を実現してくれるのが北投です。

 

 

台北図書館新北投分館について

 

台北のMRT(地下鉄)で、観光名所の「淡水」へ向かう淡水信義線に乗り、途中の「北投」で新北投支線に乗り換えると、たどり着く場所は、北投温泉地とも呼ばれる「新北投」駅ただひとつです。

休館日が不定期なので、この図書館を目的に旅行される方はご注意ください。

台北図書館新北投分館
開館時間:8時30分〜21時(日・月は9時〜17時)
休館日:不定期
Wi-Fi:あり
撮影:許可が必要
カフェ、レストランなど飲食スペース:なし
ホームページ(日本語) : http://japanese.tpml.edu.tw/

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  1. 2018年 9月 25日

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