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『デイ・アフター・トゥモロー』 図書館がシェルターになる日

当サイトでもたびたび話題として上がる、ニューヨークの観光名所ニューヨーク公共図書館(NYPL)

 

 

 

その図書館の正面から津波が押し寄せるという衝撃的なシーンを描いたのが2004年公開のパニック映画『デイ・アフター・トゥモロー(The Day After Tomorrow)』です。

 

図書館はその中で、とても大きな役割を果たします。

 

命の危機が迫る時、人はそれを守るためにどんなものでも犠牲に出来るのでしょうか?

 

注:この記事には映画の内容が一部含まれています。

 

地球温暖化によって突然訪れた氷河期で世界各地で異常気象が頻発し始めます。

 

それらの危機を訴え続けていたのは気象学者のジャック。

 

彼のひとり息子のサムは、高校生クイズ大会への参加のためにニューヨークにいます。

 

そのニューヨークにも異常気象が発生し、豪雨と巨大な高潮が押し寄せます。

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サムたちは、目の前にあるニューヨーク公共図書館に逃げ込みます。

 

広大な閲覧室は避難してきた人たちで埋まり、図書館はシェルターとなります。

 

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館内の電話でジャックと連絡をとることが出来たサムは、ニューヨークに寒波が押し寄せてきていることを知ります。

 

嵐が吹き荒れ、1秒で10度気温が低下し、氷河期になる。

 

絶対に図書館から出ないこと、凍死しないために火をおこし、決してそれを絶やさないようアドバイスをするジャックですが、その彼でさえ、

 

「ディケンズの初版本を燃やす気か?」

「グーテンベルクは一番最初に印刷された聖書だ。後生に自分たちの文明を知らせるために残しておくように」

 

と、その図書館にある本の価値を強調します。

 

命を守るものは本しかありません。

 

しかし、図書館を守る司書は当然、本を燃やすことが許せません。

 

それなら凍死をする?

 

 

司書、図書館の常連、ほかの避難者たちは焚書ための本を選書します。

 

ここでの、さまざまな立場の人たちによる書物に対する価値観の相違はみどころです。

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図書館の常連「フリードリヒ・ニーチェの本は燃やしちゃダメだ。19世紀の最も重要な哲学者なんだ。」

少女「え?自分の妹に恋心を抱いた豚が?」

 

この図書館の常連の男性は、最後まで1冊の本を大切そうに抱え、ヘリコプターで救出される際にも一緒に持ち出します。

 

「グーテンベルク聖書」です。

 

彼は、「書物は人類最高の発明である」と言います。

 

結局、燃やすために選んだ本が『税法』に関するものだったのも皮肉ですね。

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サムのクラスメイトのローラが発熱して意識を失い、みんなで彼女の病名を予想して混乱しているシーンでは、司書ジュディスの活躍がありました。

 

医学書を片手に具体的な症状を所見し、病名を言い当てます。

 

「燃やす以外にも本は役に立つのよ」と、最後まで司書として生きる姿勢を貫こうとするジュディスは、司書の鏡でしょう。

 

「書籍が生まれてわれわれは理性の時代を迎えたのだ」という台詞も印象的です。

 

(※実際には、図書館のレファレンス(相談窓口)では、医療に関するアドバイスはしてはいけないこととされています。)

 

さて、映画内で繰り広げられた会話に出てきた3つの貴重書があります。

  • グーテンベルク聖書
  • トルーマン・カポーティの草稿
  • チャールズ・ディケンズの初版本

これらはすべて、実際にニューヨーク公共図書館に保管されています。

 

人間が温暖化への対策を怠ったことにより発生した自然災害ですが、自分たちの命を守るために図書館に避難した上、そこにある財産を燃やせるか?

 

人類の知恵と歴史が凝縮している書物の価値を改めて考えさせられます。

 

>>図書館が出てくる映画のアーカイブはこちら

 

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