ニューヨーク市にある文化施設の中で、最も重要なものといわれているニューヨーク公共図書館。
それは、荘厳なボザール様式の建築や贅沢な装飾や壁画などの建築面での魅力だけではなく、収蔵されているコレクションの豊富さと、図書館の役割を超えたサービス、そして、ニューヨーク市民が図書館を生活の一部として活用し、図書館活動に積極的に参加して一緒に作ってきた歴史にあります。
すべての人が歓迎されるニューヨークという都市で、やはり図書館も、あらゆる人種、民族、社会階層に属する人々が集い、利用し、生活に欠かせないものとして機能しているのです。
そのため、最も民主的な施設ともいわれています。
ニューヨーク公共図書館とは?
ニューヨーク公共図書館と聞くと、おそらく、観光名所として名高い五番街と42丁目の交差点にある本館〈スティーブン・A・シュワルツマン・ビル〉をイメージすることが多いと思いますが、ニューヨーク市の92のネットワークを総じてニューヨーク公共図書館といいます。
1911年に本館が竣工し、アンドリュー・カーネギーらの寄付によって、各館を増設してきました。
本館を含む92の図書館は、従来の図書館業務に加えてコミュニティセンターの役割も担っています。
ニューヨーク市の図書館の組織
ニューヨーク市の公共図書館の運営はかなり独特で、
まず、ニューヨーク市全区を管轄するのは3つの図書館で、その中心にあるのが、マンハッタン、ブロンクス、スタテン島の3地域を管轄するニューヨーク公共図書館本館です。
その下部組織に88の地域分館と、4の研究図書館があります。
ほかにブルックリン区とクイーンズ区をそれぞれ管轄するブルックリン公共図書館とクイーンズ公共図書館があります。
※「未来をつくる図書館」に分かりやすい表があります。
所蔵資料(コレクション)の特徴
所蔵資料の特徴としては、人文科学、社会科学および美術において世界有数の蔵書を誇り、総計6,000万点ものコレクションが所蔵されています。
本館〈スティーブン・A・シュワルツマン・ビル〉が舞台となった映画『デイ・アフター・トゥモロー』で、図書館に避難した人々が最後、救助される場面で、この図書館を愛する常連男性が「グーテンベルク聖書」を大切そうに持ったままヘリコプターに乗っている場面がありますが、「グーテンベルク聖書」は、実際にこの図書館が所蔵する稀少コレクションのひとつです。
ニューヨーク公共図書館の利用について
観光名所として確立していることからもお分かりのとおり、利用は原則として無料です。
また、ニューヨーク在住または在勤の方は会員になることができます。
ニューヨーク公共図書館 それぞれのみどころ
ブライアント・パーク(Bryant Park)
ニューヨーク公共図書館の魅力を存分に知るためには、図書館の外にあるブライアント・パークからはじまります。
ニューヨーク公共図書館本館〈スティーブン・A・シュワルツマン・ビル〉が映画に登場するとき、この公園が一緒に登場することが多々あります。
ブライアント・パークの壮大な芝生の上に座り、図書館を正面に眺めると、その後ろや左右にはニューヨークの摩天楼が立ち並び、それは、ニューヨークでしか見られない圧巻な光景です。
そして、何より魅惑的なのは、ブライアント・パークの地下の一部がニューヨーク公共図書館本館の閉架書庫になっているということです。
天気のいい時にはここで寝転がって読書をしたいですね。
本館〈スティーブン・A・シュワルツマン・ビル〉
ニューヨーク公共図書館と聞いて誰もが思い浮かべるのがこちら、ニューヨーク公共図書館〈スティーブン・A・シュワルツマン・ビル〉ではないでしょうか。
数々の映画の舞台としても有名です。
その魅力はひとことでは語り切れませんが、観光客として訪れるなら、やはり建築や贅沢な装飾や壁画などを堪能したいですね。
ニューヨーク公共図書館分館 研究図書館
ニューヨーク公共図書館は世界でもっとも有名な図書館のひとつですが、数々の映画の舞台として知られる本館だけではなく、分館もおすすめです。
リンカーン・センターの一部としても運営されている、舞台芸術に焦点を当てた舞台芸術図書館、キャリアコーチング、財務計画から投資リテラシー、ビジネス戦略、ソリューションまで、お金の問題に関して考えられるあらゆる側面に対して支援を提供することに長けた科学・産業・ビジネス図書館など、下記の記事でそれぞれ紹介しています。
ブルックリン公共図書館(Brooklyn Public Library)
ニューヨーク市のブルックリン区を管轄するブルックリン公共図書館も見逃せない図書館です。
ブルックリン公共図書館でよく語られるのが、1930年代に建てられたアールデコ様式の建築で、入り口のドアは唯一無二のデザインといえるでしょう。
ロビーも豪華で35万平方フィートの館内には、本、映画、音楽、ディスプレイ、デジタル情報など、100万点以上のアイテムがあります。
この記事へのコメントはありません。