「音楽の都」といわれるウィーンですが、音楽のみならず、文学や建築、そして図書館の愛好家に対しても決して失望させることのない芸術の街です。
オーストリアの図書館といえば、ウィーンから離れた街にある修道院の附属図書館が人気ですが、今回はウィーン市内の図書館を紹介します。
ウィーン市内にある5つの図書館
ウィーンは、ドナウ川のほとりに位置するオーストリアの首都で、芸術的にも文化的にも名高く、ゴシック、バロック、歴史主義、世紀末様式などさまざまな時代の建築物がひしめき合った、芸術の都です。
オーストリア国立図書館 (Austrian National Library Vienna)
オーストリア世界遺産のひとつ、ウィーンの歴史地区に建つホーフブルク宮殿の図書館。
オーストリア全体で最大の図書館であり、この図書館もまた世界遺産に登録されています。
もともと王室のための宮殿図書館だったものが、1920年頃にオーストリア国立図書館に改名されました。
高さ数メートルの本棚と豪華な装飾品が見ごたえあります。
壁は曲線を描き、神聖ローマ皇帝チャールズ6世の印象的な像が大きな天井フレスコの下に大きく浮かんでいます。
図書館の一部である地球博物館も一見の価値があります。
ウィーン市庁舎図書館(Wien bibliothek im Rathaus)
フリードリヒ=シュミット広場に高い5本の尖塔を持って建つネオゴシック様式の市庁舎。
前の広場は冬になるとスケートリンクに使われるなど市民の憩いの場となっています。
この建物の1階に図書館があります。
市庁舎図書館だけに、ウィーンの歴史と文化を研究、保存し、都市に関連する重要な文書をアーカイブすることに重点を置いた図書館です。
歴史の大部分を網羅しており、印刷された作品の一部は15世紀にまで遡ります。
収集された作品の中には、著名人のサイン、手書きの楽譜、ポスター、および死亡記事があります。
ウィーン公共図書館ベルト中央館(Central Library on the Gürtel)
CD、DVDおよびその他のさまざまなリソースに、広範囲な文献を所有することで知られる図書館。
中は静かで広大なスペースとなっています。
しかし、特筆すべきは図書館から眺める景色です。
晴れた日には、この図書館の最上階からウィーンの森やその先まで見ることができます。
最上部にあるカフェに続く階段からは、ウェストバーンホフ中央駅につながる曲がりくねった路面電車の景色を眺めることができます。
アカデミー・オブ・ファイン・アーツ(Academy of Fine Arts, Vienna)
アカデミー・オブ・ファイン・アーツ内の長い廊下の端に隠れているこの図書館は、ウィーンで最も趣ある部屋のひとつといえるでしょう。
もし、仕事や研究のためにこの図書館を訪れるなら、きしむ木の床と使い古された本の匂いが集中力を高めてくれるでしょう。
本棚はあまりにも完璧で、そこに細かく保存された蔵書のひとつを選んで、それが本物かどうかを調べるのは魅力的な体験です。
図書館は一般公開されています。
ウィーン大学図書館(Vienna University Library)
ウィーン大学は1365年にルドルフ4世によって設立され、ドイツ語圏で最も重要な教育機関のひとつと考えられています。
ウィーン大学の図書館には、オーストリア全土で最大の書籍コレクションがあり、約700万冊あります。
メインの読書室は綺麗に磨かれた長いテーブルとガラスの天井と、エレガントな光景です。
もちろん大学図書館として機能しているので常に学生でいっぱいですが、一般の人も訪れることができます。
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