ほとんどの大都市と同じように、ニューヨークもまた、素晴らしい図書館がたくさんあります。
しかし、ニューヨーク市があきらかに他の都市(アメリカ国内外問わず)と異なるのは、建築や立地の素晴らしさにとどまらず、公立と私設が混在することで実現した多様性と豊富な専門性です。
全部で5区あるニューヨーク市を3つの図書館が管轄していますが、その中心にあるのは、マンハッタン、ブロンクス、スタテン島の各区を管轄する私設のニューヨーク公共図書館(NYPL)です。
ニューヨーク公共図書館本館〈スティーブン・A・シュワルツマン・ビル〉の素晴らしさは良く知られていますが、数々の映画の舞台として知られる本館だけではなく、分館もおすすめです。今日は、本館以外の図書館の魅力を紹介します。
ニューヨーク公共図書館分館 研究図書館
舞台芸術図書館(The New York Public Library for the Performing Arts)
マンハッタンにあるニューヨーク公共図書館の一部であるこの分館は、アッパーウェストサイドとメトロポリタンの間にあり、リンカーン・センターの一部としても運営されています。
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劇場、オペラ、音楽、ダンス、ビデオ、映画などの舞台芸術に焦点を当てています。
この建物には、4つの異なる研究図書館があり、珍しい台本、原稿、記録、写真のコレクションで世界的に有名です。
一般公開されている舞台芸術図書館には、展示スペース、パフォーマンスシアターがあり、パフォーマンスに関する貴重なカタログと資料を所蔵しています。
舞台芸術に情熱を傾けている方は必見です。
科学・産業・ビジネス図書館(Science, Industry and Business Library)
舞台芸術図書館と同じく、ニューヨーク公共図書館分館の研究図書館にあたるこの図書館は、アッパーイーストサイドとイーストビレッジの間、エンパイア・ステイトビルの近くのマディソンアベニューにあり、おもにビジネスと金融の教育を専門としています。
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そのため、ビジネス、金融、経済のあらゆる面で教育を提供できるように専門家を配置し、電子、紙の両媒体で豊富なリソースを持っています。
専任司書と専門性を備えたコンサルタントは、キャリアコーチング、財務計画から投資リテラシー、ビジネス戦略、ソリューションまで、お金の問題に関して考えられるあらゆる側面に対して支援を提供することに長けています。
講義、グループ会合、コンピューター、会議室はすべて一般に公開されています。
この図書館は、ニューヨーク市のビジネスに関しては非常に貴重なリソースとして活用されています。
ブルックリン公共図書館(Brooklyn Public Library)
全部で5区あるニューヨーク市を3つの図書館が管轄していますが、その中心にあるのは、マンハッタン、ブロンクス、スタテン島の各区を管轄する私設のニューヨーク公共図書館(NYPL)です。
ほかのふたつは分館を持たず完全に独立していますが、そのひとつがブルックリン区を管轄するブルックリン公共図書館です。
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ブルックリン公共図書館でよく語られるのが、1930年代に建てられたアールデコ様式の建築で、入り口のドアは唯一無二のデザインといえるでしょう。
ロビーも豪華で350,000平方フィートの空間内には、本、映画、音楽、ディスプレイ、デジタル情報など、100万点以上のアイテムがあります。
ジェファーソン・マーケット・ライブラリー(Jefferson Market Library)
ジェファーソン・マーケット・ライブラリーは、グリニッジ・ビレッジの西部にあり、一見、どの地域にもある近所の小さな図書館のようですが、独特の建築と興味深い歴史を持っています。
それは、1877年にイギリスの建築家フレデリック・クラークウィザーズによってハイビクトリア朝のゴシック様式として知られるスタイルで建てられました。
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最初の90年は、おもに裁判所として使用されましたが、最終的にその機能はなくなり閉鎖の状態に陥りました。
1950年代の半ば頃には解体の準備が整っていましたが、一般市民や地元のアーティストの大きな抗議のおかげで、1958年に保存されました。その後すぐに復元され、図書館として生まれ変わりました。
現在は、アメリカの国家歴史的建造物に指定されています。
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