明治大学は、大手出版社や書店・古書店が乱立する「本の街」神保町にほど近い駿河台キャンパスに、学生の期待に応える立派な図書館(明治大学図書館中央図書館)を所有しています。
2002年に「日本図書館協会建築賞」を受賞した図書館です。
ところが2012年5月、杉並区の京王線明大前駅に位置する和泉キャンパスに近代的なデザインの新図書館を新たに開館しました。
図書館業界内ではもちろんのこと、多くのメディアで話題になりましたが、最も反応したのが卒業生たちで、自分たちの在学中にできなかったことをとても残念がっていました。
しかし、「人と人・人と情報を結ぶ架け橋(LIAISON)」をコンセプトに掲げた和泉図書館は、卒業生はもちろん、杉並区民の来館を歓迎しています。
スタイリッシュな外観に、ホテルのラウンジのような開放感に溢れた館内の建築は2013年のグッドデザイン賞に選ばれました。
来館者の属性や行動を考慮に入れた構成やフロアによって変化する空間は、“滞在型図書館”といわれ、学生の間では「グループディスカッションにもひとりで過ごすにも最適な環境」と評判です。
また、留学生には「ターミナル」と呼ばれています。
この図書館で働く明治大学職員の司書さんが話してくれたのは「入ってみたくなる図書館」「滞在したくなる図書館」。
時間を気にしないでほしいと、時計も設置していません。
カフェを併設しており、読書や勉強の合間に軽食もとることができます。
図書館内で用途に合わせて移動し過ごせるように、テーブル席やソファ席、ブース席などさまざまなタイプの閲覧席があります。
その総閲覧席数は1227席(ベンチタイプの席を含めると1259席)にもなります。
長時間、本やパソコンに向き合うことを考慮し、照明の強度や彩度にもこだわったそうです。
そのこだわりもグッドデザイン賞で評価され、「照明普及賞」(照明学会照明普及分科会主催)も受賞しています。
内装デザインに関しては、至る所にユニークなアイデアが散りばめられています。
明治大学和泉図書館レポート
音や色など、人間の五感に繊細に呼応したものを戦略的に配置した家具によって、質の高い空間が生み出されています。
開放感あふれる環境で、従来の図書館の印象を大きく覆している印象でした。
また、建築や内装面だけではなく、図書の探しやすい配列も秀逸です。
設計段階から職員が積極的に関わり、学生や地域住民のためでありながら、自分たちが働く場所として愛情とアイデアを注ぎ込んで作り上げたということが存分に感じられる図書館でした。
明治大学和泉図書館
開館時間:8:30~22:00(土曜日は~19:00)、 日曜日は10:00~17:00
Wi-Fi:明治大学在職、在学者のみ
パソコン貸出、インターネット利用のできる設置パソコンの有無:明治大学在職、在学者のみ
カフェ、レストランなど飲食スペース:あり
明治大学卒業生、杉並区民の方の利用方法はこちら → http://www.lib.meiji.ac.jp/use/visitor/index.html
見学、取材・撮影希望の方はこちら → http://www.lib.meiji.ac.jp/use/izumi/kengaku/kengaku.html
この記事へのコメントはありません。